2008年03月26日

五感に沁み込むワンダー・ワード〜『Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 』[2008年 4/10号]

 なんでも今号が記念すべき700号目ということで久方ぶりに『Number』誌を購入した。

 一番読みたかったキングカズと辰吉の記事は大した内容ではなかったが、

 『ナンバーに刻まれた700の名言 1980〜2008』

 だとかいう、過去に『Number』誌で取材された数多のアスリートたちの名言をまとめて掲載した特集記事がとても面白い。

 我が国のアスリート界を代表する名言家として誰しもが思い浮かべるのは、やはりなんといってもミスタージャイアンツこと長嶋茂雄であろう。
 件の特集内でも当然、ミスターの数々の名言が掲載されているが、中でもとりわけ俺がしびれたのがこの名言だった。

 「水商売系のいい女性のすべすべとした肌を抱いて、その快楽の味がカンフル剤としてプレーに生きるというのはありますよね」

 ようするに、一流プロ野球選手を目指すのなら、風俗へ行ってガンガン遊びまくれ、と、ミスターはそうおっしゃっているのだろう。
 けだし名言である、って、ただのエロオヤジではないか。

 またその一方、かつて現役時代での試合中に前のランナーを追い越しアウトになってしまったことについて

 「早い話が、前の走者がグズだったんですね」

 などと、もの凄くひどいことを言っていたりもして、これなんかも聖人君子や神様ではない人間・長嶋茂雄の実像が垣間見られる素晴らしい名言といえるだろう。感動だ。

 で、そのミスターの遺伝子を受け継いだからだろうか、元読売巨人軍所属で、現在は米メジャーリーグ球団ピッツバーグ・パイレーツに在籍中である桑田真澄選手の名言もまた凄い。

 「“世界平和のための立派なピッチングができますように”と言いながらマウンドまで歩いていくんです」

 まさか桑田がそんな素晴らしい理念を掲げながら試合に臨んでいるなんて、まったく知らなかった。桑田のピッチングのどこがどうすれば世界平和に繋がるのかは俺にはよくわからないが、ともかく感動した。

 プロ野球関係者では他にも、イチローや王貞治、落合博満らの名言が多数掲載されている。その中に高橋直樹という、申し訳ないがあまりよく知らないプロ野球関係の人はこんな素晴らしい名言を残してくれている。

 「セックスは5日のローテーションです」

 とりあえず、「ああ、そうですか」と言うしかないだろう。

 我が国で野球と人気を二分するスポーツといえばサッカーである。もちろん特集ではサッカー関係者の名言も数多く掲載されている。

 「僕、将来お金をたくさん持って楽に暮らしたいんです。世界で成功したら、金も儲かるでしょ」

 現役時代の中田英寿選手による名言である。いわずもがな今や我が国を代表する高級ニート、もとい旅人して人々の羨望を集めている中田さんであり、なんだかんだで見事有言実行を果たした中田氏はいややっぱり凄い。

 同じサッカー関係者では元日本代表FWである柳沢敦選手の名言もまた良い。

 「シュートしたらいいのか、パスしたらいいのかという状況の中で、どちらがいいかを考えて、自分がパスした方がいいと思うからパスするのであって、シュートした方がいいと思った時は自分でシュートしています」

 こんな当たりまえのことをここまで堂々と言える柳沢に脱帽だ。

 「ポジションに関係なく、完璧な選手になりたいんだよ。わかるかな?」
 
 中村俊輔の名言である。なんだかむかつくのである。

 「世界は、フィジカルだよ。フィ、ジ、カ、ル。分かる?」

 同じく中村某の名言であり、ともかく「分かる?」じゃねえだろうと言いたい。なんだかむかつくのである。

 で、この中村某と柳沢某が会話したらこうなる。

 中村某「ポジションに関係なく、完璧な選手になりたいんだよ。わかるかな?」

 柳沢某「シュートしたらいいのか、パスしたらいいのかという状況の中で、どちらがいいかを考えて、自分がパスした方がいいと思うからパスするのであって、シュートした方がいいと思った時は自分でシュートしています」

 中村某「世界は、フィジカルだよ。フィ、ジ、カ、ル。分かる?」


 馬鹿の会話である。

 「男女交際とかも、プラスに変えられる人もいるんですけど、自分は絶対柔道に集中できなくなると思うんですよ」

 YAWARAちゃんこと柔道の田村亮子選手(現・谷亮子)、女子大生だったころの名言であり、この名言から理解できるのは、つまりこの時点でYAWARAちゃんはおそらく「未体験」であっただろうということで、しかしわかったところで全然嬉しくないのはどうしてだろう。まあ、この問題に関してこれ以上は口が裂けても言えないので、どうしても知りたいという方は交番にいるおまわりさんにでも聞いてほしい。

 とはいえ、そんなYAWARAちゃんでもこちらの名言にはかなわないだろう。ボクシングの名トレーナーとして我が国で数々の世界チャンピオンを育てた故エディ・タウンゼント氏の名言である。

 「石松はちょっとクレイジーね。ロードワークの途中で、急にいなくなって、オーイ、紙をくれぇー。ウンコしてるの。子供と同じよ」

 やっぱりガッツはスケールが違うと思った。

 なんてな感じで、人間的なアクの強さも一級品の一流アスリートのそれを揃えたからだろうか、掲載されていた700もの名言はどれもが独特の味わいに満ちており、たいへん素晴らしかった。必読である。

 
 Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2008年 4/10号 [雑誌]
ラベル:Number
posted by とんち番長 at 23:39| Comment(0) | TrackBack(1) | 本を読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月25日

未曾有の出版不況に一筋の光〜『週刊プレイボーイ』(07年5月7/14日超特大合併号)

 プレイボーイ

 どうやら出版不況が止まらないようです。つい先日は、プロレス・ファンの間でバイブル的書物として長らく親しまれてきた『週刊ゴング』が休刊となり、かつて愛読していた僕としても非常に残念に感じていた次第なのですが、驚いている間もなく今度は、我が国で唯一のヒップホップ・ミュージック専門誌であるらしい『BLAST』誌までもが同様に休刊というニュースを訊きつけました。
 いよいよ本格的に歯止めの利かない状況になりつつあるなと、雑誌をひとつの情報源として大いに有効活用させたもらった世代の人間であれば思わず心配してしまうのも無理からぬ話です。

 このような嘆かわしい現状となってしまったのは、もちろん社会自体の不況のせいも大きいのでしょうが、一番の発端はやはり、インターネットの大々的な普及にあることに間違いありません。なにしろ、パソコンを使ってインターネットに回線を繋げさえすれば、自宅に居ながらにして自分が欲しい情報を好きなだけ自由に手に入れることが出来るのですから、これはどうしたってそうなります。
 第一、嘆かわしいなどと書いている僕自身が、そういった現状に満足し、いまや定期購読している雑誌がひとつもないということがそれを如実に証明していると言えるのかもしれません。

 もっとも、だからといって「雑誌=死にゆくメディア」と判断するのは、さすがに早計に過ぎるでしょう。というか、雑誌は断じて死にません。『週刊プレイボーイ』誌07年5月7/14日超特大合併号の内容を伝える中刷り広告を目にしたいまとなっては、尚更そう強く思うのです。

 件の広告を拝見して、まず真っ先に目に付いたのは、『怒りのワイド』なる興味深い一文で、その上部には「許してなるものか!」というなんとも強烈なセリフが踊っています。おそらくはこの『怒りのワイド』こそが、件の超特大合併号における特集記事のタイトルであり、ああ、とりあえずなんだか怒っているのだな、ということは誰しもが理解できます。じっさい、「許してなるものか!」というセリフの隣には、

 「ウラでは銃社会暴力国家ニッポンの現実」
 「ヒドすぎるぞ! アマスポーツ『裏金汚染』」


 といった具体的なフレーズが続けざまに綴られており、貴誌の怒り具合が否が応にも伝わってこようというものです。
 
 さらに『怒りのワイド』は

 「赤坂より豪華!? 参院宿舎なんていらねーよ」

 と続くのですが、一方でそのまま広告の中央に目を移すと、

 「特大ピンナップがついてくる!」

 というセリフ付きで水着姿のリア・ディゾンが、なんとも妖艶な視線をこちらに向かって投げかけているのが確認できます。
 
 尚も『怒りのワイド』は留まることを知らず、

 「マカオ資金やっぱりボッタクリかい、北朝鮮!」

 と来て、その傍ら、中央のリア・ディゾンの隣には

 「ティーンズ美尻15連発!」

 との、やはり別個の記事なのでしょう、なんとも扇情的なキャプションがあり、で、またもや

 「情けないぞ、千葉県警! 英会話教師殺人『捕り逃がし』」

 などと『怒りのワイド』が来たと思ったら、そのまま視線を左下のほうに移すと、そこには

 「南波杏『緊縛』袋とじヌード」

 だのと、同じ広告内になんだか誇らしげに書かれてあったりするのです。

 この、なんというか、なんでもかんでもぶち込むようなゴッタ煮感というか、社会の不正に対して「許すまじ!」と激しく憤りつつ、他方右手ではしっかりとチンポをシゴいているかのごときアンビバレントな感じ。たとえば、安部内閣の政治手腕に対してきわめて鋭い意見を投げかけつつ、他方では己が購入したAVについての事細かな論評が一緒くたになっているようなブログなど、まあ、なくはないでしょうが、そう多くはないと思われ、そういった意味では『プレイボーイ』誌のほうが断然、その独自性が抜きん出ていると言えるのではないでしょうか。

 というわけで、まだまだ元気そうなので、しばらくは大丈夫と言っていいんじゃないかと思います、雑誌。
 少なくとも「男性誌」は。

 ただ、ひとつだけ問題点がないではなく、それというのは、この『プレイボーイ』誌をはじめとする男性誌を、たとえば通勤電車の中などで、果たして「どういう顔して読めばいいのか」ということでしょう。
 難しい顔して読めばいいのか、それとも、ニヤニヤしながら読めばいいのか。
 まあ、難しい顔をしつつニヤニヤしながら読むのが正しいのでしょうけど。
posted by とんち番長 at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 本を読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月13日

洋楽誌を救え!〜『洋楽誌改造計画』

  洋楽雑誌
 
 21世紀も順調に4年目が過ぎようとしている今日この頃、野口さんのスペースシャトル搭乗&帰還、和泉元彌プロレス電撃参戦、楽天によるTBS株買収と、もはや先進的クンニ大国としてゆるぎない地位を確立した感のある我らが日本であるわけだが、そんな昨今であるにもかかわらず、どうやら未曾有の出版不況であるらしい。
 詳しいことは面倒くさいので調べてないが、とにかく本が売れないらしいのである。

 むろん、それは雑誌においても同じこと。
 これが音楽専門誌、ましてやいささかマニアックな層に支えられている傾向にある洋楽専門誌ともなると、事態はことさら深刻であるらしい。

 なにしろただでさえCDが売れないと叫ばれて久しい昨今、それが洋楽CDの売り上げともなればさらに悲惨な状況であろうことは想像に難くない。
 そう。
 ということは当然、洋楽誌を読もうなんていう輩は新たに生まれるわけがないし、だいいち我々はIT時代の恩恵によって、海外ミュージシャンの知りたい情報などわざわざ洋楽誌を購入しなくとも、クリックひとつでいつでも手軽に目にすることが出来てしまう状況なのである。

 そんな出版界にとって悪循環きわまりない世情の影響もあってか、売り上げ的にももちろんのこと、誌面の内容的に見ても、どうも洋楽誌に元気がないと思うのは私だけではあるまい。

 じつは、洋楽を聴くようになって今年でめでたく10周年の私。
 そんな私であるわけだから、洋楽、すなわち洋楽ロックとは私の全人生、命よりも大切なものと断言できるし、あまつさえ洋楽誌にはいまのいままで大変お世話になってきたのであって、いくら感謝してもしきれないくらいなのである。むろんそれはかなり大げさだとも断言できるわけだが、いずれにせよ、洋楽ロック・リスナーとしてこのいかんともしがたい状況を無視できようはずがない。

 では、どうしたらいいのか洋楽誌! …やはりここは郵政民営化を実現せんとするきょうび小泉内閣同様、洋楽誌もこれまでの様式を根底から洗いなおすような改革が必要であろう、と思われる。

 そこで今回は、私なりにおもしろくてためになると思うあるべき未来の洋楽誌を、ここに提言してみたい。

提言@ インタヴュー記事をどうにかしろ!
 これは邦楽誌もおなじことだが、とにかく洋楽誌はミュージシャンのインタヴュー記事が多すぎだ。
 どの洋楽誌もだいたい誌面の7割〜8割はこのインタヴュー記事で、タモリのレギュラー番組なみに多いのである。
 これではいくら大のタモリ好き、ではなく、インタヴュー記事好きな読者であろうとも、めくるたんびにインタヴューインタビューばっかじゃあ、いささか食傷気味になろうというものだ。
 
 というか、お目当てのミュージシャン以外のインタヴューを読みたい人なんて、なかなかいるもんじゃないと思う。

 むろん、
 「毎号いろんなミュージシャンを紹介しないとレコード会社やらからの広告費がまかなえないんだよ〜ん」
 なんていう雑誌編集者たちにとっては微笑ましくも頭の痛い問題があるのかもしれない。
 そこらへんは詳しくはしらない。しらないが、毎度毎度、音楽の話しかしないのはいかがなものか。
 「あなたはフェラ派かアナル派か?」
 とか
 「吉野屋はいつになったら牛丼を売り出すのか、あなたなりの意見を聞かせてほしい」
 とか
 「クールビズっておいしいの?」
 とか、やはりインタヴュー内容にもうちょっと工夫がほしい。
 
 読者大勢が興味をもっている質問を海外ミュージシャンにぶつけ、会話の幅を広げることこそ、これからのインタヴュアーの役割として望まれるところではないだろうか。

提言A おんなじような広告をやめろ!
 洋楽誌をめくっていると
 「待望の新作到着! ○○○(←ミュージシャン)『□□□□□』(←新しいアルバム)!」
 だの
 「衝撃の『□□□□』(←前作のアルバム)から2年……ついに○○○○(←ミュージシャン)が動き出す! 全世界震撼のニュー・アルバム『△△△△△△』(←新しいアルバム)リリース!」
 だの、なぜか新作CDについての広告ページばかりが目に付く。

 むろんこれも提言@と同様、「レコード会社からの広告費が〜」という厄介な問題があるのは想像できるところだが、だったらパチンコ雑誌などがやってるように、お金がない読者のためにサラ金会社的なそれとか包茎で悩んでいる読者のために高須クリニック的なやつとか、読者への気遣い=「まごころ」を感じさせる広告も一緒にはさみながら、きたるべき固定読者を確保していきたいものだ。

提言B ミュージシャンのヌードグラビアを入れろ!
 やはりどんなときであってもエロは必要不可欠。
 むろん実際にやるとなるとやはり綺麗どころの女性ミュージシャンのそれが望ましいが、たとえば洋楽好きなホモ読者用にエルトン・ジョン、モリッシー、マイケル・スタイプ、ジョージ・マイケル四天王による4P青姦グラビアの提供を試みるなど、その可能性は無限だ。

提言C ゴシップ記事でもっと過激に!
 大衆の興味嗜好として、ミュージシャンのゴシップ記事は欠かせない。
 「エミネム、ヅラ疑惑!」
 「リアムのボンベイ・ロール発言に泉ピン子激怒!」
 「シンディ・ローパーとやしきたかじんが夜の道頓堀で密会!」
 「清原のオリックス移籍騒動に神様クラプトン物申す!」
 など、想像しただけで興味津々の内容が浮かぼうというもの。

 そのためにも海外ミュージシャンのゴシップに強い、洋楽誌界にとっての梨本勝的人材の育成が急務だ。

提言D クロスワードパズルのページを10ページにひとつはさんで、読者にちょっとしたホッとタイムを!
 新作CDについての難解なテキストを読んだり、ビルボード・チャートを親の死に目よりも気にしたりしている忙しい洋楽好き読者であっても、たまにはこういうちょっとした息抜きがほしかろうというものだ。
 
提言E 占いのページでみんな幸せに!
 たしかに洋楽だけで飯30杯食えるけど、たまには恋もしたいし、お金だってガッポリ儲けたい。なんなら、「早く人間になりたーい!」という洋楽好きで妖怪人間でもあるベム君(中二)の魂の叫びも聞こえてくる今日この頃である。

 でも、人生そんなうまくいくわけないよなあ。そういやこないだもバイクで事故ったし、道で知り合った女の人に突然求婚されて、「営業成績上げたいから協力して」って200万する壺を買わされたけど、銀行に振り込んだとたんなぜか連絡取れなくなっちゃったりで災難続きだ。はあ、人生ってツライなあ。よっしゃ、死のう! 

 なんて迷える読者のためにも、やはり占いのページは外せないだろう。

 となると、ここはやはり現在引く手あまた状態の細木数子先生に執筆担当を依頼したいところだが、いくぶん通な読者を狙って新宿の母あたりも有力どころだ。
 ただし、Dr.コパだけはダメだ。とくに深い理由はないが、なんとなくダメだ。

提言F 読んで楽しめ、武器にもなる雑誌に!
 凶悪犯罪がますます深刻化する昨今、我々もいつ襲われるかわからないという恐怖でうかうか木の実ナナをおかずにオナニーもしていられない状況である。

 むろん、洋楽誌を読み楽しんでいる午後のティータイムであろうとも、気ぬかりなど出来ようはずもない。
 そんなとき、トリカブトが原料の紙で作成された洋楽誌であったならどんなに助かることか…。

 凶悪犯がまさに襲いかかってきたその瞬間、すばやく記事のページを破り、トリカブト的なその紙を凶悪犯の口にねじこめば……結果はいわずとしれたところだろう。

 
 ……というわけで、Fはともかくとして程度の差こそあれ既存の雑誌ですでにやられている企画ばかりのような気がするが、ま、いっか! どうせこんなのまじめに読んでるやつなんていないだろうし! 

 とにもかくにも、洋楽誌の編集者らはこの提言を参考にしつつ、ぜひ今後の紙面づくりに役立ててほしい。そして、ほんとうにこれらの企画がとおったら協力費としてお金を贈ってほしい。
posted by とんち番長 at 20:44| Comment(4) | TrackBack(0) | 本を読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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