2009年05月13日

俺が読みたいブログ

 傑作漫画『サルでも描けるまんが教室』の著者のおひとりである竹熊健太郎先生が、自身のブログ上で「人気ブログ」について考察された記事をアップされており(→)、早速一読してみたところ、これがなかなかにためになる内容で面白かった。

 竹熊先生曰く、まずブログの世界で4番目にアクセスを集めるのは

 「面白い記事を書く人」

 だという。
 
 とにかく笑えるとか、読んでためになるとかが基本とのことだ。

 続いて、3番目にアクセスを集めるのが

 「まめに更新する人」
 
 らしいが、これはパチンコ屋の光景を思い浮かべればわかりやすい、と思った。

 というのは、パチンコというのは基本的に台の中央にある数字の列を回転させなければ話にならず、なので、数字の列を回転させるための穴に玉がよく入る台を多く拵えているパチンコ屋には大勢の客がやって来るわけであり、逆に、数字の列を回転させる穴に玉がなかなか入らない台を多く拵えているパチンコ屋には当然客も寄りつかない、と、つまりはそういうことだ。

 と、ここまで親切に説明してあげているにもかかわらず、

 「いや、そんなふうに書かれても、自分はパチンコはやったことがないのでよくわからない」

 という輩に関しては、さすがにこれ以上説明するのは面倒なので、自分でパチンコ雑誌を熟読するなどして研究するか、もしくは、じっさいにパチンコを打ちに店のほうに行ってほしい。そして、その際大当たりしたら、どうかお金を恵んでほしい。

 で、竹熊先生のブログのほうに話を戻すと、2番目にアクセスを集めるのは
 
 「著名人」
 
 とのことで、たしかに、自分が興味を持っている著名人がブログをやっていたら、たとえたいしたことが書かれてなくともついつい頻繁に覗きに行ってしまうというものだし、ましてや、それが有名な「しょこたん」という人のブログのように、
 
 “元々売れっ子の芸能人で、なおかつ可愛い子ちゃんのオタクでもあり、しかも、そんな可愛らしい自分のリアルタイムの姿が掲載された記事を一日70回とか更新している所に人が来ないわけがない”

 などといったようなことも先生はおっしゃっているが、なるほどそれも納得だ。

 で、最終的に一番にアクセスを集める人はどんな輩であると竹熊先生はおっしゃっているのかと言えば、ズバリそれは

 「面白くてためになる記事を毎日3回以上更新し、著名人で自分の写真をバカバカ載せる可愛い子ちゃんのオタク」

 とのことで、なるほど、と、じつに納得したのは、

 「ひどくつまらないうえになんの得にもならない記事を大体2週間に一回程度、ひどいときには一ヶ月以上も放置し、無名のダメ人間で自分の写真を載せる必要が一切ないイカ臭さ満点の包茎男子」

 である俺のブログには人がまったく寄り付かないからである。

 本当に、人気ブログを作るのは大変だ。

 と思う今日この頃なわけだが、まあとりあえず自分のブログの問題は棚に上げて、もし人類の歴史に名の残している偉人がブログをやっていたとしたら、果たしてどんな感じであったろうか、という想像をしてみるのも楽しい。

 たとえば、戦国時代の覇者・織田信長がブログをやっていたらどうか。

 信長ブログの書き出しは毎回決まっている。こうだ。

 「儂が信長じゃ」

 そりゃそうだ、信長なんだから。

 と、誰しもが思うところだが、思いつつ同時に、えも言われぬ堂々たる迫力が感じられる気がするのは、やはり戦国時代の覇者たる所以か。

 なにはともあれ、信長のブログだが、

 「ついに義元(今川)を討ち取った也 」(記事タイトル:『桶狭間の戦い』)

 だの、

 「火縄銃の扱い方についてじゃが、儂の右に出る者はおらんのじゃ」(記事タイトル:『泣かぬなら殺してしまえホトトギス』)

 だの、さすが戦国時代の覇者らしく男気溢れる語り口のその文章と、ハリウッドの娯楽映画にも一歩も引けを取らぬ壮絶きわまりない日常について綴られた内容がウケて、あっという間にヤフートピックスにも頻繁に取り上げられるほどの超人気ブログとなるだろう。

 が、そんな戦国時代並びにブログ界の覇者たる信長もやはり人の子、ときにはこんな弱気な一面もブログの中で赤裸々に告白したりする。

 「思うに猿(※儂註→秀吉のことね。元・木下藤吉郎って言ったほうがみんなもわかりやすいかな?)って、子供時分には儂のわらじを知らないうちに胸元で温めてくれてたり、いろんな奉公やら戦やらを率先して引き受けてくれたり、じつに素晴らしい奴じゃ。それに比べて光秀(※儂註→無論、明智のことで或る)じゃが、あれはどうも好かん。というか、ぶっちゃけ、なにか良からぬことを奴は考えているような気がするのじゃが、読者の皆様はどう思われようか」

 そんな信長の告白に対して読者の声も様々だ。

 「いや、信長さんには悪いっすけど、光秀さんはそこまで悪い人じゃないと思いますよ」

 「あ? なに言ってんだお前? 信長さんの言うとおりだろ。信長さんのことをたいして知りもしないニワカのくせにテキトーなことぬかすなボケが」

 などといった具合に、コメント欄も爆発的な賑わいを見せることになるだろう。
 しまいには

 「VIP板から来ますた」

 といったふうな、騒ぎを聞きつけ面白半分でやってきた野次馬読者からのコメントも相次ぎ、結局ブログは、自身の最期と同様、炎上することになる。

 ブログのタイトルは『信長の野望』。
 後に信長を主役に添えたシュミレーションゲームが制作されたが、そのソフトのタイトルをここから拝借したのはあまりには有名な話だ。

 また、ロック・リスナーとしては、かつてのロック・スターがブログをやっている様を想像するのも楽しいものだ。

 たとえば、もしジミヘンがブログをやってたら、こんな感じであろうか。

 「なんでも日本だと僕の名前は“ジミ(地味)”“ヘン(変)”っていう意味になるらしいね! 「変」っていうのはアーティストとして褒め言葉になるけど、「地味」はちょっと心外かな?!(;_;)ともあれ、来週はいよいよモントレー・ポップ・フェスティヴァルに出演! メンバー全員で力を合わせて一生懸命演奏するよグッド(上向き矢印) 日本にもいつか必ず行くので、楽しみに待っててね(^▽^)/では。Jimi」

 まさか顔文字&絵文字連発とは、ギターの革命児なる異名も形無しだ。

 ガチャピンだってやっているぐらいなんだから、人間以外の生物がブログをやっている様を想像したって全然おかしくないだろう。

 平成の怪物ホース、オグリキャップのブログの書き出しはこんな感じだ。

 「ちわーっす☆ オグリでーす!!!!」

 そんなブログ、あったら読みたい。
posted by とんち番長 at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常を生きる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月05日

ザ・ブルー・ハーブ/O.N.O@恵比寿リキッドルーム(09年5月2日)

 ぼくにとってゴールデン・ウィーク突入前夜となった5月2日、ザ・ブルー・ハーブのコンサートを観に、恵比寿リキッドルームというコンサート会場に行ってきました。

 ブルー・ハーブのコンサートは2年ぐらい前に一度観たことがあって、今回が二度目でした。場所は同じ恵比寿リキッドルームでした(その時の模様→こちら)。

 ちなみに、ブルー・ハーブというのは日本のヒップホップ・グループのことです。

 MC(ヴォーカル)は、ILL-BOSSTINO(イル・ボスティーノ)という人で、もちろんれっきとした日本人です。BOSS THE MC(ボス・ザ・エムシー)というもうひとつの呼び名もあるのですが、基本的にファンは親しみを込めて「ボス」と呼んでいます。ぼくは、たぶん年上の人っぽいので、「ボスさん」と呼んでいます。
 メンバーは他に、トラック・メイカー(曲を作る人)のO.N.O(オー・エヌ・オー)という人と、ライブDJのDJ DYE(ディージェイ・ダイ)という人がいます。

 開演時刻の19時になろうかという時間に恵比寿に到着。待ち合わせていた友人と合流し、リキッドルームに入りました。

 事前に予想していたとおり、会場に入っているお客さんは怖い人たちでいっぱいでした。
 顔面ピアスだらけの人、全身墨だらけの人、モヒカンの人、パイナップルみたいな髪型の人……。

 「ここが超人オリンピックの会場だ」

 とキン肉マンに嘘を言っても、きっと信じたのではないかと思います。

 そんな超人たちを横目に1Fバーカウンターの隅で友人とダベっているうち、前座であるO.N.Oの演奏が始まりました。O.N.OはひとりでDJプレイというのをやっていたみたいなのですが、ぼくはDJプレイというやつにまったく興味が湧かず、なので、会場の中には入らず友人とダベり続行。
 しばらくすると、遅れてやってきた女子2人組みが

 「オー・エヌ・オー、もうやってるよー」

 と大騒ぎしながら場内へと入っていったのですが、思わず心の中で

 「“オノ”でいいじゃないか」

 と、突っ込んでしまいました。

 「O.N.O」や「BOSS」はもとより、「ZEEBRA」とか、「K DUB SHINE」とか、「Mummy-D」とか、なんの照れも疑いもなくそのまま呼ぶのには、どうも昔からぼくは抵抗があるのです。こんなことだから、いつまで経ってもぼくはアメリカンな人間になれないのでしょう。日々、反省です。

 そして、それから一時間ほどが経った後、ようやくO.N.OのDJプレイが終了。いよいよ本隊ブルー・ハーブの演奏が始まるということで、友人と一緒に場内に突入しました。

 ところで、ぼくには好きなミュージシャンがたくさんいるのですが、そんな中でもブルー・ハーブ、というかボスさんに対する距離感は、他のミュージシャンのそれとはかなり異なります。
 ブルー・ハーブのアルバムはすべて持っているので、そういった意味では「ファン」と言っていいのでしょうが、なんというか、もっと屈折しています。
 もうちょっと具体的に言うと、

 「ボスさん、かっけー」

 などと、素直に感動できるピュアな感性をぼくは持っておらず、もっと斜め上的な目線というか、どうしてもネタ的な視線でボスさんを見てしまうのです。

 もちろん、ボスさんのことは嫌いではありません。嫌いだったらCDを集めないし、ましてやコンサートにも足を運ぶわけがありません。

 かっこいいっちゃかっこいい。でも、なんか面白い。いわば、「かっこ面白い」人。
 それが、ぼくにとってのボスさんなのです。

 みうらじゅんさんという人がいますが、あの人がチャールズ・ブロンソンなどに接するときの温度に近い、と説明したらわかっていただける方もいるかもしれません(全然違うかもしれませんが)。
 
 なので、こんなふうに書くとファンの方が怒ってしまうかもしれませんが、僕はブルー・ハーブのコンサートのことは「説法会」と、ボスさんの言葉は「シャクティパット」と呼んでいます。もちろん、そこに深い意味はなく、単に「面白いから」そう呼んでいます。

 本題と関係ない話を延々としてしまい、申し訳ありませんでした。

 肝心の「説法会」、もといコンサートの内容ですが、この日のコンサートは、ブルーハーブが東京ではじめてコンサートをやった日からちょうど10年目の日だったらしく、ボスさんは歌やMCの最中に何度も「10年」と連呼していました。
 当然、気合が入っていたのでしょう、いつも以上にこれからの自身の活動、そしてグループの行く末を歌の中で鼓舞しつつ、会場にやって来ているダメな人たちに向けてお馴染みの説教(シャクティパット)も炸裂。

 「ちょっとぐらい仕事が出来るからって、いい気になってんじゃねえ」

 友人曰く、そのようなことをボスさんはおっしゃっていたらしい、です。

 らしい、って、お前も観てたんじゃねえのか、というお声もあろうかと思われますが、ごめんなさい。
 ほとんど覚えてません。
 
 疲れていたのです。
 ここ数ヶ月間、私生活的な面でいろいろと慌しく、その疲労のため、コンサートの最中も腰やケツの痛みばかりが気になって、正直、ボスさんどころではありませんでした。
 というか、

 「なんで金払ってのに、わざわざ説教されなければならないのだ」

 と、心にもないことまで思ってしまいました。

 そうこうするうち、腰&ケツの痛みに加え、調子に乗って酒を飲みすぎたため気分が悪くなってしまい、コンサートの半ばが過ぎたあたりで逃げるように退散。その後、再入場することもなく、先ほどいたバーカウンターの隅で、じっと大人しくしているハメになってしまいました。

 しばらくすると、会場内から格闘家として知られる五味隆典選手が友人らしき人と一緒に出てきて、そのまま外のほうへと消えていきました。ぼくは本物の超人を横目に見ながら、

 「やっぱりボスさんのシャクティパットを受けるのは、3年に一度ぐらいがちょうどいいな」
 
 とひとりごちつつ、やっぱり調子に乗ってもう一杯、酒を飲んでしまいました。
posted by とんち番長 at 16:29| Comment(0) | TrackBack(1) | ライヴを観る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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